「投資信託を始めようか悩んでいるが、やめたほうがいいのだろうか」と思っていませんか。
投資信託にはリスクや売買時に手数料がかかるなど、デメリットがあります。一方で資産形成に役立つといったメリットがあり、向いている人もいるのです。
この記事では、おもに以下の内容を解説していきます。
- 投資信託はやめたほうがいいと言われる3つの理由
- 投資信託のメリット3つ
- 投資信託が向いている人・不向きな人
この記事を読むと、あなたが投資信託をやめたほうがよいかが判断できるようになり、自身に向いている資産形成方法をみつけられますよ。
投資信託はやめたほうがいいと言われる3つの理由
大きく分けて以下3点が、投資信託はやめたほうがよいと言われる理由です。
- 損失を被るリスクがある
- 手数料が高い
- 短期間で大きな利益は期待できない
順番に解説していきます。
理由1:損失を被るリスクがある
投資信託は「1日ごと」に価格(基準価額)が変動する商品です。
もちろん買った日の基準価額が翌日以降に下がれば、元本割れを起こし損失を被ります。
基準価額は最低ラインが存在しないため、たとえば投資信託の投資先に含まれる企業がすべて倒産した場合は0円になり、投資した金額がすべて消滅する可能性もあるのです。
理由2:手数料が高い
投資信託には以下のような手数料が設定されており、売買時や保有している間に差し引かれます。
手数料名 | 詳細 |
購入時手数料 | 購入時に徴収 |
信託財産留保額 | 売却時に徴収 |
売買委託手数料 | 組入銘柄の変更時に徴収 |
信託報酬 | 日々徴収 |
監査報酬 | 日々徴収 |
どれくらいの手数料が差し引かれるかは、各投資信託によって異なります。
具体的なイメージをつかむためにも、実在する投資信託をひとつ例にあげて説明していきますね。
eMAXISSLIM全世界株式(オール・カントリー)の手数料例
たとえば「eMAXISSLIM全世界株式」を100万円分購入・保有している場合の年間手数料の目安は、以下のとおりです。
手数料名 | 割合 | 金額 |
購入時手数料 | なし | 0円 |
信託財産留保額 | なし | 0円 |
売買委託手数料(税金含む) | 0.021% | 210円 |
信託報酬 | 0.113% | 1130円 |
監査報酬(保管費用など含む) | 0.032% | 320円 |
合計 | 0.166% | 1660円 |
出典:eMAXIS「eMAXISSlim 全世界株式(オール・カントリー)」
eMAXISSLIM全世界株式の場合「購入時手数料」「信託財産留保額」がかからないため、売買時は手数料なしで購入できます。
しかし「信託報酬」「監査報酬」など日々必要な費用が徴収されるため、年間でみると上記の手数料がかかるのです。
理由3:短期間で大きな利益は期待できない
投資信託の基準価額の変動は1日1回と前述しました。
つまり株式のように、1日に何度も価格が上下することを利用した「デイトレード」には適しておらず、短期間での利益はあげられないといえます。
数日といった短期間の投資では、利益に対する手数料の割合が高くなりやすいため、利益は小さくなるでしょう。
投資信託にはよい面もある!3つのメリット
上記の理由を見ると「やっぱりやめたほうがいいのか」と思うかもしれませんが、投資信託にはメリットもあります。
- リスク分散できる
- 少額投資できる
- 手間がかからない
メリット1:リスク分散できる
投資信託はいくつかの企業の株式や債券が組み入れられた商品であるため、投資資金のリスク分散が可能です。
たとえば、購入した投資信託に組み込まれた企業が倒産したとしても、他企業の株式にも投資しているため、損失は小さくおさえられます。
一方で株式投資の場合は、投資先の企業が倒産すると投資した資金は0になる可能性もあるのです。
メリット2:少額投資できる
株式や債券を購入する際は、数万円単位から買い付けを受け付けているケースが多いです。
しかし投資信託は「少ない資金で投資したい」といった要望にも答えられる金融商品です。たとえば楽天証券では「100円/月」からの投資ができます。
証券会社によって最低投資金額は異なるため確認は必要しましょう。
また「投資したい企業があるけど、高くて買えない」といった場合でも、希望の銘柄が含まれている商品であれば投資信託として購入できます。
たとえば日本の企業である「ニトリホールディングス」の株を100株買うためには「約200万円(2024年2月時点)」が必要です。
しかし投資信託のひとつである「ひふみ投信」を購入すれば、ニトリホールディングスの株を間接的に保有できます(2024年2月時点)。
ひふみ投資信の組入銘柄に、ニトリホールディングスの株が含まれているからです。
メリット3:手間がかからない
株式へ投資する場合は企業の業績や指標、これからの見通しなどさまざまな情報を調査・勉強する必要があるため、手間や時間がかかります。
しかし投資信託であれば「全世界の株式に投資する商品」「米国株式に投資する商品」などテーマが決まっているため、自身が投資したい商品への投資が簡単です。
投資信託を始めるべき理由!インフレに対抗できる
いまもっている現金の価値は、時の流れとともに下がっていくと考えられています。
なぜなら労働政策研究・研修機構が報告したデータによると、日本の経済はインフレが進行すると予測されているからです(※1)。
インフレが進行すると物価が上昇するため、現金の価値が目減りします。
たとえば2024年に「100円」でジュースが売られているとして、2025年に「200円」へ値上がりしたと
しましょう。
同じジュースでも1年後には2倍の値段になり、お金も2倍出さなければ購入できません。
つまり、お金の価値が下がっているため、2倍の金額を支払う必要があるのです。
インフレに対抗するためには、投資信託など金融商品に投資して、企業や国の成長とともに資産を増やしていく必要があります。
出典:(※1)労働政策研究・研修機構「世界の成長予測2.7%、日本は1.3%(OECD:2023年7月)」
投資信託が向いている人・向いていない人
投資信託はインフレに対抗できる金融商品ですが、資産を増やしたい人すべての人に向いている商品ではありません。
ここからは、投資信託が向いている人・不向きな人を紹介していきます。
向いている人
以下2点に当てはまる人は投資信託の運用に向いているといえます。
- 投資に手間や時間をかけたくない・かけられない
- 長期投資を考えている
投資信託であれば1回/日のみの価格変動であるため、常に価格を気にする必要がなく、チャートを見る時間も削減できます。
投資のプロが銘柄の選定・売買をしてくれるため「投資がしたいけど勉強する暇がない」といった人や初心者でも安心して投資ができるでしょう。
また長期投信によって「複利のような効果」を得られるため、資産が増えていきやすいといえます。
不向きな人
短期間で大きな利益をねらっている人には、投資信託は向いていません。
前述したとおり投資信託は、1回/日だけしか価格が動かないため、1日に何度も売買を行う「デイトレード」では利益をねらいにくいからです。
手数料も取引するたびに徴収されるため、効率は悪いといえます。
投資信託選びで確認するポイントは?
まずはインデックスファンドなのか、アクティブファンドなのかを確認しましょう。
インデックスファンドでは、日経平均株価といった指数の動きに連動するような運用を行います。
一方アクティブファンドでは、指数を上回るような成果を目指します。
アクティブファンドでは大きな利益をねらえる可能性もありますが、そのぶん「手数料やリスクが高い」といった側面もあるため注意が必要です。
インデックスファンドとアクティブファンドの違いや、どちらがよいかについては下記で解説しているため、利益を確実にあげたいという人は参考にしてみてくださいね。
それでも心配な人はプロに相談してみる
ここまでの解説を見て「自身で投資先を決めるのは不安」「どの投資信託がよいかわからない」という人もいるでしょう。
そのようなときはお金のプロである「マネイロ」へ相談しましょう。
「マネイロ」は、投資信託の運用やNISAなど資産運用について、お金のプロに「無料」で相談できるサービスです
オンライン上で「カメラOFF」でも参加できるセミナーや、一対一での相談が可能です
セミナーや相談はすべて無料で利用できるため、不安な人は検討してしてみましょう。
投資信託で資産形成を始めよう
「投資信託はやめたほうがいい」と言われる理由は3つありました
- 損失を被るリスクがある
- 手数料が高い
- 短期間で大きな利益は期待できない
一方で投資信託には3つのメリットもあります。
- リスク分散して投資できる
- 少額投資可能
- 手間がかからない
投資信託は金融商品であるため損失を被る可能性はありますが、インフレが進む日本では現物でお金をもっていると価値が下がっていくでしょう。
投資信託であれば時間や手間をかけずに資産形成ができるため、ぜひ検討してみてくださいね。
もし投資信託に関する不安が残るようであれば、お金のプロである「マネイロ」への相談も検討してみましょう。投資信託以外のiDeCoや保険など資産形成全般について相談可能です。