ETFとは?投資信託と違う5つのポイントやどちらがよいのか解説

投資信託と違う5つのポイントやどちらがよいのか解説

「ETFとはどのような金融商品なのだろう」「投資信託となにが違うのだろうか」と気になっていませんか。

ETFとはExchange Traded Fundsの略称で「上場投資信託」と呼ばれる投資信託の1種です。複数の銘柄が組み込まれている、信託報酬がある、など投資信託と同じような性質もありますが、異なる点も存在します

この記事では、おもに以下の内容を解説していきます。

  • ETFとは
  • 投資信託とは違う5つのポイント
  • どちらがよいのか

この記事を読むと、ETFがどんな金融商品なのかがわかり、投資するべきか判断できるようになりますよ。

目次

ETFとは上場投資信託のこと

ETFとは上場投資信託のこと

簡単にいうと証券取引所に上場している投資信託です。上場しているため、株式と同様に「指値注文」「信用取引」もできます

一方で投資信託のように、ひとつの商品に複数の株式や債券が含まれているといった特徴もあります。

特定の指数に連動する「インデックス型」、特定の指数を上回る運用を行う「アクティブ型」がある点も、投資信託と同様です。

ただしアクティブ型運用ETFは2023年9月7日に上場したばかりであるため、種類が少ないのが現状であり、2024年3月時点で東証に上場・上場予定のものは10種類のみです(注1)。

投資信託と同様にNISAを利用した売買が可能で、購入単位は1口・10口・100口単位など商品によります。

出典:(注1)日本取引所グループ「ETFの概要」

ETFと投資信託の5つの違い

ETFと投資信託の5つの違い

ETFも投資信託の1種ですが、具体的には以下5つのような違いがあります。「多い」「高い」などの表現は、お互いを比較したときの評価です。

比較項目 ETF 投資信託
価格変動 リアルタイム 1日1回
コスト 低い傾向 高い傾向
組入銘柄情報の更新頻度 毎日 毎月もしくは決算期ごと
分配金の再投資 しない 商品による
商品数 少ない 多い

順番に解説していきます。

違い1:価格変動

投資信託は1日に1回、商品や証券会社によって決められた時間に価格が決定されますが、ETFは株式と同様にリアルタイムで取引できるため、刻一刻と価格が変わります。

値動きを監視しながらの取引も可能です。ただしETFでは、銀行での売買ができない点は覚えておきましょう。

違い2:コスト

ETFは投資信託に比べて、コストがかかりにくいといえるでしょう。

両者とも商品を購入すると「信託報酬」と呼ばれる管理・運用費がかかりますが、ETFでは信託報酬がかかりにくい仕組みになっています。

なぜなら投資信託では、信託報酬を「運用会社+受託会社+販売会社」の3社に支払いますが、ETFではそのうち「販売会社」への支払いがないからです。株式と同様に証券取引所で売買するため、販売会社を仲介しないのです。

違い3:組入銘柄情報の更新頻度

投資信託では、商品ごとに設定された決算期に更新される運用報告書(全体版)で、最新の組入銘柄を把握できます。

決算の回数や時期も商品によって異なるため「年1回」しか組入銘柄を確認できないケースもあるのです。

一方ETFでは、運用会社が公式やホームページなどで組入銘柄を毎日公開しているため、透明性が高く安心できる商品だといえます。

違い4:分配金の再投資

投資信託には、商品ごとに決められた期間ごとに収益の一部を現金として受け取れる「分配金型」、分配金を受け取らずその資金で商品を自動購入する「再投資型」の2種類があります。

しかしETFでは、仕組み上「再投資型」が存在しません。分配金を再投資したい場合は、自身で購入手続きをする必要があります。

違い5:商品数

ETFは投資信託に比べて商品数が少なく、日本の投資信託は約6000本、ETFは約300本しかありません(注2、3)。日本のETFは「1995年」、投資信託は「1951年」に開始と歴史に差があるためです(注4、5)。ETFはこれから栄えていく商品だといえます。

出典

(注2)一般社団法人 投資信託協会「短期投資志向から⻑期投資志向への転換 」(2023 年8月7日公表)

(注3)楽天証券「新NISAETFを活用した成長投資枠の使い方」(2024年1月作成)

(注4)国立国会図書館デジタルコレクション「ETF」

(注5)日本証券経済研究所「発足から満 60 年を迎える日本の投資信託 」

どんな商品がある?ETFの代表例3つ

どんな商品がある?ETFの代表例3つ

「ETFのイメージはつかめたけど具体的にどんな商品があるのだろう」と思っていませんか。ここでは、ETFの商品例を3つ紹介します。

商品例1:上場インデックスファンド225

はじめに紹介するのは、日経平均株価に連動した成果を目指した上場インデックスファンド225です。構成銘柄も以下のような日経平均株価に組み込まれたものを採用しています。

大型株中心の安定した構成だといえるでしょう。

構成銘柄例 最低購入価格 信託報酬
  • ファーストリテイリング
  • 東京エレクトロン
  • ソフトバンクグループ
40,700円 0.108%

出典:日興アセットマネジメント「1330-上場インデックスファンド225」

商品例2:NEXT FUNDS 日本成長株アクティブ上場投信

NEXT FUNDS 日本成長株アクティブ上場投信は、中長期的に高い自己資本利益率(ROE)を期待できる銘柄を中心に選定・運用しています。名前からもわかるとおり、アクティブ運用型ETFです。

企業の成長とともに、大きなリターンを得られるチャンスのある商品です。

構成銘柄例 最低購入価格 信託報酬
  • 村田製作所
  • 日立製作所
  • 大和ハウス工業
2,258円 0.625%

出典:NEXT FUNDS「NEXT FUNDS 日本成長株アクティブ上場投信(2083)」

商品例3:グローバルX ゲーム&アニメ-日本株式 ETF

グローバルX ゲーム&アニメ-日本株式 ETFは、ゲーム産業およびアニメーション産業に関連する国内上場株式を構成銘柄とするSolactive Japan Games & Animation Index(配当込み)に連動した成果を目指しています。

アニメやゲーム好きな人は、購入したくなる商品ではないでしょうか。

構成銘柄例 最低購入価格 信託報酬
  • サイバーエージェント
  • ネクソン
  • バンダイナムコホールディングス
2,986円 0.649%

出典:Global X Japan「グローバルX ゲーム&アニメ-日本株式 ETF」

投資信託とETFでは結局どちらがよいのか?

投資信託とETFでは結局どちらがよいのか?

両者でどちらがよいかは個人の投資スタイルによります。それぞれ向いている人は以下のとおりです。

投資信託 ETF
長期間放置で投資したい 信用取引やデイトレードで大きなリターンを狙いたい

投資信託(再投資型)は分配金を再投資してくれるため、長期間放置で投資したい人に向いています。投資にかける手間や勉強する時間がない人におすすめできる商品です。

一方ETFは株式と同様に売買できるため、信用取引やデイトレードをしたい人に向いています。定期的に分配金を受け取りたい人にもおすすめです

ただしETFで自動積立をする場合、商品や証券会社によってはETFの自動積立をできないケースがあるため、購入前に確認しましょう。

ETFと投資信託の違いを理解して投資しよう

ETFと投資信託では下記5つの違いがあると解説しました。

比較項目 ETF 投資信託
価格変動 リアルタイム 1日1回
コスト 低い傾向 高い傾向
組入銘柄情報の更新頻度 毎日 毎月もしくは決算期ごと
分配金の再投資 しない 商品による
商品数 少ない 多い

投資信託は長期投資で放置しつつ資産形成したい人、ETFは短期売買や信用取引、分配金を受け取りたい人に向いています。

今回の記事を参考にして、自身のライフスタイルに合わせた投資先を選んで資産形成しましょう

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この記事を書いた人

金融関係の記事を執筆しながら、趣味のコーヒーに関する情報を発信しています。
2級ファイナンシャル・プランニング技能士保有。

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