「出来高が多いのに株価が上がらない・・・」と疑問に思っていませんか。
出来高が多いからといって株価が上がるとは限りません。出来高が多くても株価が下がるケースがあるのです。
出来高が多いのに株価が上がらない現象を理解するためには、出来高について正しい知識を備える必要があります。
この記事では、おもに以下の内容を解説していきます。
- 出来高が多いのに株価が上がらない理由
- 出来高の意味合い
- 株価と出来高の関係
この記事を読むと、出来高が多いのに株価が上がらない理由がわかり、株式投資を効果的に行えるようになりますよ。
いくら出来高が多くても株価が上がるとは限らない
たしかに出来高が多いと株価が上がるケースはあります。しかし出来高が多くても、株価が「下がる」「変わらない」ケースもあるのです。
一方、出来高が少ない状態で株価が「上がる」「下がる」ケースも。
株価や出来高は、需給バランスやニュースなどさまざまな要因で変動します。
また、株取引は「買い」だけでなく「売り」からも入れるため、出来高が多い=株価が上がるとは限りません。
出来高が多くても、株価が「下がる」「変わらない」ケースもありますし、出来高が少ない状態で株価が大きく変動することもあります。
上記のような「出来高と株価の関係性」を知るためには、株価が上がる仕組みについて、正しく理解しておく必要があるといえるでしょう。
出来高とは売買が成立した数量
出来高と株価には深い関係性があります。出来高が多いのに株価が上がらない理由を知るために、出来高について正しく理解しておきましょう。
出来高とは「株式が売買された数量」をさします。「売買高」といわれることも。
出来高には、買われた数量だけでなく、売られた数量も含まれています。
よくある間違いに、出来高は「株式が買われた数量」と誤認識していることがあげられます。
株式が買われると、市場に出回っている株式の数量の減少に伴って価値が上がり、株価も上がっていくという誤った認識です。
株式を「買いたい人」と「売りたい人」がいて、初めて取り引きが成立するのです。
たとえば「100株を売りたい人」と「100株を買いたい人」がいたとしましょう。両者の取引が成立すると200株ではなく「100株」が出来高として計上されます。
売買双方の発注数ではなく、取引が成立した数量が「出来高」なのです。
株式の総量が変わらないのに株価が変動する理由
株式の総量は変わらないのに、なぜ株価は変動するのだろうと思いませんか。
新株が発行されない限り市場に流通する株式の総量は変わりませんが、需給バランスにより株式の価値が変わるため、株価は変動していきます。
ある企業の株式を買いたい人が多い状態であれば、売る価格が高額であっても取引は成立します。
- 株価上昇のイメージ
・売り手:注文多いな→株価上げよう
・買い手:高くても買いたい→どんどん上がる - 株価下落のイメージ
・売り手:値が付かない!下げてでも売りたい
・買い手:安くても買いたくない/安ければ買う
株価が決まるのは売買成立時です。
市場に流通する株式総数は同じでも、取引時の需給バランスで株価は上下に変動するのです。
出来高と株価に関する値動きの事例
出来高上昇による株価の値動きには、さまざまなパターンがあります。
「出来高増加にともない株価も上昇するパターン」「株価上昇後に出来高が上がるパターン」などです。
ここでは以下3つのパターンから、出来高と株価の値動きに関する事例を紹介していきます。
- 出来高が株価に先行
- 出来高が株価に遅行
- 出来高と株価が連動
出来高が株価に先行する例
出来高が上がったあとに株価が変化するパターンでは、以下の2つのような事例が考えられます。
- 株価上昇中に出来高が多くなり、のちに株価が下落するパターン
- 株価下降中に出来高が多くなり、のちに株価が上昇するパターン
順番に内容を事例を紹介していきます。
株価上昇中に出来高が多くなり、のちに株価が下落するパターン
株価があがっているときに出来高が多くなると「さらに株価が上がっていくだろう」と考える人もいるでしょう。
その背景には、以下に示す投資家の動きが関係しています。
- いま株価は上昇しているが、これから先は下がると判断
- 式を高い株価のうちに売りはじめる
- 時間の経過とともに、株式を売る人がさらに増えていく
株価上昇中に出来高が多くなると「買う勢い」が高まっているように見えるでしょう。
しかし実際には「売る勢い」も高まっているため、出来高は多くなります。
時間の経過とともに売る勢いが勝り、株価が下落していくパターンです。
ニュース先行で出来高が急増した株に多いパターンといえるでしょう。
株価下降中に出来高が多くなり、のちに株価が上昇するパターン
株価が落ちていくなかで、出来高が上がっている様子を見ると「売り先行だな/売りが強いな」と思うのではないでしょうか。
しかし以下のような投資家の動きで、のちに株価が上昇する可能性も考えられます。
- いま株価は下降しているが、これから先は上がっていくだろうと判断
- 低い株価のうちに、株式を購入
- 時間の経過とともに、株式を買う人がさらに増えていく
株価下降中に出来高が上がると「売られる勢い」が高まっているように見えます。しかし実際には「買う勢い」も高まっているため、のちに株価が上昇していくのです。
出来高が株価に遅行するパターン
株価が変動したあとに、出来高があがるパターンでは、以下の2つのような事例が考えられます。
- 株価が上昇したあとに、出来高が多くなるパターン
- 株価が下落したあとに、出来高が多くなるパターン
順番に内容を紹介していきます。
株価が上昇したあとに、出来高が多くなるパターン
紹介するケースのなかで、もっともわかりやすいパターンといえるでしょう。
二ュースや経済指標などなんらかの理由で株価が上昇したことにより、その企業の株式に注目が集まったとします。
株式に注目が集まると高額でも買いたい人が増え始め、のちに出来高が多くなるパターンです。
株価が下落したあとに、出来高が多くなるパターン
株価が落ちていく様子を見て「これ以上株価が下がって損をしたくないから、いまのうちに売ろう」と考える人が増え、出来高が多くなるパターンです。
売りで入っても「損切り」はします。持ち株を処分し損失を抑えること=損切りです。
損切りの勢いが高まり、出来高が多くなるのです。
出来高と株価が連動するパターン
出来高のあがりと同時に株価が変化するパターンでは、以下の2つのような事例が考えられます。
- 株価がもみ合いしたあとに上昇するパターン
- 株価がもみ合いしたあとに下落するパターン
順番に内容を事例を紹介していきます。
株価がもみ合いしたあとに上昇するパターン
もみ合いとは「株価が一定の範囲内で上下を繰り返している状態」をさします。買いと売りの勢いが同等で、今後株価がどう動くのか見当がつかない状態です。
株価のチャートは横ばいのトレンドになります。
ある一定の株価内で取引が拮抗していたが、高い株価でも株式を買いたい人の勢いが上回り、出来高とともに株価が上昇するパターンです。
株価がもみ合いしたあとに下落
ある一定の株価内で取引が拮抗していたが、低い株価でも株式を売りたい人の数が上回り、出来高とともに株価が下落するパターンです。
出来高の多さと株価は比例するとは限らない
出来高と株価には、密接な関係があります。出来高が多いからといって、株価が上がるとは限りません。
今回紹介した事例のように「出来高が多くても株価が下がる」パターンも存在します。出来高が多いことを理由に、株式を盲目的に購入するのは危険です。
今回紹介した「出来高の仕組み」「出来高と株価の関係性」を理解して、株式を購入する際の判断材料としましょう。
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